人生は時折り、オセロゲームに例えられます。
この世に誕生した時は、自分が不幸だと
思う赤ちゃんはいませんから、
これは〇です。
しかし、年齢を重ねるにつれて、
良いことばかりが続くとは限りません。
病気になったり、成績不振に悩んだり、
失恋したりと、むしろ●のケースのほうが
多いと(私を含めて)感じられる人が多いでしょう。
そして現在も●の状態が続いているとすると、
これまでの人生すべてが黒く塗りつぶされた
ような気持ちになりますよね。
ところが、ここでハッピーな出来事が
起こったとします。
そうすると、それまでの苦しかった日々も
思っていたほど憂鬱なものとは見えなくなり、
むしろ、よく頑張ったと自分を褒めて
やりたい気分になるものです。
つまり、これまで●だったものが〇に転じて、
全部が白丸になるのです。
これは、私がこれまでにあまり話したことのない
実話ですが、
「以前、私が勤めていた建設会社の直属の上司
(現場の作業所長さん)に非常に嫌な人がいました。
入社1年目の私の、ちょっとしたミスにも
カンカンに怒鳴って、無能呼ばわりするのです。
それだけではなく、私に対して殴る・蹴る
などの暴行をほぼ毎日繰り返していました。
当時は私も毎日、辞めることばかり考えて
いたように思い返されます。
でも、それで何とか見返してやろうと思って
必死に頑張り、最後まで逃げ出さずに
その現場の竣工までやりきりました。
そして念願だった一級建築士も若くして
合格することが出来ました。
ところがある時、自分の人生をふと振り返って、
どうして自分があれほど発奮できたのかを
考えていたら、
やはりあの上司からいじめられたから頑張れた
ということに気がついたのです。
そう思うと、あの上司に対しても
それほど悪くは思えなくなりました」
私の場合も、オセロと同じように
現在の〇で過去の●を〇にすることが
できたケースと言えるでしょう。
人生には指針がなく、時には暴走したり、
間違った方向に進んで●をもらうことが
あります。
しかし、●はいつまで●ではなく、
〇にも変えられるのだということを
私は実感することが出来ました。
先日、山口県にて、役場から一般町民へ
4,630万円の誤送金事件がありました。
世間的には、返さないと主張する本人から
何とか取り返そうと頑張っている行政の
姿が取り上げられていましたが、
私は、その行政のたった一つの誤りが
一般町民の人生を狂わせてしまった、
という事が残念に思えてなりません。
この人の●も、いつか〇で逆転されることを
願っている次第です。
(参考文献:小田全宏 ウィークリーコンパス)