お彼岸が過ぎても、日中は暑い日が
続いていますが、
今週後半からはグッと秋めいた
涼しさがやってくるようです。
ほんのり寂しい気もしていますが、
そんな、センチメンタルな気分に
なれない位にバタバタしております。
お待たせしているお客様、順番に
対応していますので、しばし
お待ちくださるとありがたいです。
さて50年以上生きていると、
さすがにたいていのことには
驚かなくなりますが、
ときどきお店のレジなどで、
お客の店員さんへの(悪い)応対に
ビックリすることがあります。
お店で品物を買う時、店員さんの
「どうも、ありがとうございました」
という言葉に対し、どれだけの人が
「ありがとう」
という言葉を返しているでしょうか?
私がしばしば目にするのは、
無言で品物を受け取っていく姿です。
消費者重視、生活者重視という
言葉が氾濫していますが、お客の方が
「物を買ってやっているのだ」
という傲慢な態度が無言という
表現に出てきていると思うのです。
かつて二宮尊徳は
「すべての商いとは売って喜び、
買って喜び」
と語りました。
売った人と買った人の心の響き合いの
なかに、本当の温かい社会が
創造されるのだと思われます。
ある時、松下電器(現・パナソニック)の
ショップ店のご主人がこんなことを
話してくださいました。
「昔は家電の修理をした時など、
とても喜ばれたものですが、今は当たり前という
態度をされるお客様が多くなりました。
ましてや多少高くついた時などは、
ずいぶんと文句を言われたりして、
一生懸命にやったのにと思うと
少し悲しくなります。」
家づくり、特に家の改修や先日の
台風災害復旧の仕事では、
私たちはとてもお客様から感謝されます。
お金をもらっているのに想像以上に
感謝されると、かえって申し訳なくなる時
もあります。
そうすると私も、できる限り自分が
接するすべての人に
「ありがとうございます」
の言葉を、相手がどんな反応するかは
別にして積極的に発するようになりました。
たとえばレジで順番が来たら
「お願いします。」
そして会計が終わったら
「ありがとう。」
と心を込めて発します。
すると不思議なもので必ず相手も
笑顔を返してくれるのです。
物の豊かさに見合う心の豊かさというものも、
案外こんなところから生まれてくるのかも
しれません。
私がコロナで宿泊施設に隔離されている間は、
外出はおろか誰にも会えませんでした。
次第に慣れてはきますが、通常の生活が
恋しくてたまらなくなるものでした。
人と会えること、会話できることにあらためて感謝し、
「一期一会」の精神を忘れずに日々を
過ごしていきたいと思っています。
(参考引用:ウィークリーコンパス)